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paranoia: cdparanoia user manual (Japanese)

"Now *there's* something you don't see every day."
--Peter Venkman

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October 1, 1999


CDPARANOIA(1)                                       CDPARANOIA(1)


名前
       cdparanoia (Paranoia release III) - オーディオ CD 読み取り
       ユーティリティ。特別なデータ照合機能を持つ。

日付
       バージョンIII リリースα9.6 (17 Aug 1999)

書式
       cdparanoia [options] span [outfile]

説明
       cdparanoia は CD-DA 機能を持つ CD-ROM ドライブからオーディ
       オ トラックを取り出します。このデータは WAV, AIFF, AIFF-C,
       raw 形式でファイルにセーブすることや、標準出力に送ることが
       できます。ほとんどの ATAPI, SCSI, メーカー独自の CD-ROM ド
       ライブがサポートされています。 cdparanoia は対象のドライブ
       が CD-DA 機能を持っているかどうかを判別できます。

       単純な読み取りだけでなく、 cdparanoia は特別に頑健なデータ
       照合機能、同期機能、エラー処理機能、破損データの再構成機能
       を持っています。

オプション
       -v --verbose
              自 動検出と読み取りの処理について、ばかばかしいほど
              冗長な表示を行います。設定やデバッグの際に 便 利 で
              す。


       -q --quiet
              読 み取り処理の途中に、進行状況やエラー情報を全く表
              示しません。


       -e --stderr-progress
              進行状況を(ラッパスクリプトのために)標準エラー出 力
              に出力します。


       -V --version
              プログラムのバージョンを表示して終了します。


       -Q --query
              CD-ROM ドライブの自動検出を行い、CD-ROM の TOC の問
              い合わせと表示を行い、終了します。


       -s --search-for-drive
              たとえ /dev/cdrom のリンクが存在していて も、CD-ROM
              ドライブの完全な検索を行います。


       -h --help
              cdparanoia の使い方とオプションを簡単な説明を出力し
              ます。


       -p --output-raw
              ヘッダ無しのデータをホストのバイト順で、インタリ ー
              ブ処理を施したサンプル音声を含む raw 形式の 16 ビッ
              ト PCM データとして出力します。バイト順としてリトル
              エ ンディアンあるいはビッグエンディアンを指定するに
              は、後述の -r または -R オプションを使って く だ さ
              い。


       -r --output-raw-little-endian
              ヘッダ無しのデータを LSB first のバイト順で、インタ
              リーブ処理を施したサンプル音声を含む raw 形式の  16
              ビット PCM データとして出力します。


       -R --output-raw-big-endian
              ヘッダ無しのデータを MSB first のバイト順で、インタ
              リーブ処理を施したサンプル音声を含む raw 形式の  16
              ビット PCM データとして出力します。


       -w --output-wav
              データを Micro$oft の RIFF WAV 形式で出力します(WAV
              データのバイト順は必ず LSB first である点に注意)。


       -f --output-aiff
              データを Apple の AIFF 形式で出力します(AIFC データ
              のバイト順は必ず MSB first である点に注意)。


       -a --output-aifc
              デ ー タ を 無 圧 縮 の Apple AIFF-C 形式で出力しま
              す(AIFF-C データのバイト順は必ず MSB first である点
              に注意)。


       -B --batch
              cdda2wav  形式のバッチ出力を行います。cdparanoia は
              出力をトラック境界で複数ファイルに分割します。出 力
              ファ イルのファイル名の先頭部分は、'track(番号)' と
              なります。


       -c --force-cdrom-little-endian
              一部の CD-ROM は間違ったエンディアンを報告します(あ
              るいはエンディアンに関する情報を全く報告しません)。
              そのため、cdparanoia がエンディアンを間違えることが
              あ ります。ドライブをリトルエンディアンのデバイスと
              して cdparanoia に扱わせるには、 -c オプションを 使
              います。


       -C --force-cdrom-big-endian
              前 のオプションの逆で、デバイスをビッグエンディアン
              のデバイスとして cdparanoia に扱わせます。


       -n --force-default-sectors n
              インタフェースのバックエンドが行う最小単位の読み 取
              り を、 1 回の読み取りごとに n セクタとします。この
              数は問題を起こすおそれがあります。カーネルは多く の
              場 合、 読み取り要求を最小単位の読み取り(cdparanoia
              による自動処理はこれに対応しています)複数個に分割す
              る か、制限された大きさの範囲でしか読み取りを許可し
              ません。 普通はこのオプションを使うべきではありませ
              ん。


       -d --force-cdrom-device device
              イ ンタフェースのバックエンドによる読み取りを、最初
              に見つけた読み取り可能な CD-ROM ドライブではな く、
              指 定した device から行うようにします。このオプショ
              ンでは、利用可能である任意のインタフェ ー ス(ATAPI,
              SCSI, メーカー独自)を持つデバイスを指定することがで
              きます。


       -g --force-generic-device device
              このオプションは、SCSI CD-ROM と汎用デバイスの設 定
              を 明示的に別々に制御したい時に -d オプションと組み
              合わせて使います。このオプションが役立つの は、SCSI
              の設定が標準と異なる場合だけです。


       -S --force-read-speed number
              CD ドライブからの読み込み速度を設定するには、このオ
              プションを明示的に使ってください(ドライブが対応して
              いる場合)。このオプションを用いると、ディスクが遅い
              場合やメモリが少ない場合に起こるアンダーランを減 ら
              すことができます。


       -Z --disable-paranoia
              データ照合と訂正機能を無効にします。-Z オプションを
              用いると、cdparanoia はオーバーラップの設定が 0  で
              あ る cdda2wav と全く同じようにデータの読み取りを行
              います。このオプションを指定すると -W , -X , -Y  オ
              プションも有効になりますが、 -Z -W -X -Y と全く同じ
              では ありません。なぜなら、 -W から -Z までの オ プ
              ショ ンにより照合のレベルが階層的に変わるからです。
              実際に有効になるのは最後に指定したオプションだけ で
              す。


       -Y --disable-extra-paranoia
              読 み取ったデータの中間におけるデータ照合を行いませ
              ん。つまり、データの読み取り境界におけるオ ー バ ー
              ラップ部分のチェックしか行いません。


       -X --disable-scratch-detection
              照 合の途中では傷の探査も行わず、傷に対して頑健な同
              期処理も行いません。 -X オプションを指定した場 合、
              傷 ついた CD を与えると cdparanoia は読み取りの失敗
              を起こします。


       -W --disable-scratch-repair
              傷を検出し、同期を保つ処理を行います。ただし壊れ た
              デ ータの修復は行いません。ログファイルの出力を行う
              と( -i オプション)、全ての傷のフレーム位置 が ロ グ
              ファイルに出力されます。


出力される顔文字
         :-)  正常動作。ジッタは少ないか、全くない

         :-|  正常動作。ジッタは許容範囲

         :-/  読み取りでドリフトが発生

         :-P  最 小単位の読み取り操作において、報告されていない損
              失がストリーミングにある

         8-|  繰り返して読み取りを行ったが、同じ位置で問題が起 き
              た。修正は困難である

         :-0  SCSI/ATAPI のデータ転送エラー

         :-(  傷が検出された

         ;-(  データの訂正をあきらめた

         :^D  読み取り終了


進行表示の意味
       <スペース>
              訂正は不要

          -   ジッタの訂正が必要

          +   報 告されていない損失がストリーミングにある。あるい
              は別のエラーが読み取り時に発生した

          !   ステージ 1 訂正の後にエラーが見つかった。読み取りを
              複数回繰り返しても同じエラーが発生し、cdparanoia は
              そのエラーをうまく検出できない。

          e   SCSI/ATAPI のデータ転送エラー(訂正済み)

          V   訂正できないエラー/データのスキップ


引き数 'span'
       引き数 span は、読み取りを行うトラックまたはトラックの一部
       を指定します。この引き数は必ず必要です。 注意: span が単な
       る数字でなければ、シェルが引き数 span を展開してしまわない
       ようにクォートするのが普通でしょう。

       引き数 span は、単なるトラック番号か、オフセットとスパンの
       組合せの指定となります。オフセットとスパンの組合せを指定す
       る方法は、だいたい以下のようになります:

       1[ww:xx:yy.zz]-2[aa:bb:cc.dd]

       ここで 1 と 2 はトラック番号です。角括弧の中の数値は、指定
       されたトラックにおける、より細か い オ フ セッ ト 指 定 で
       す。[aa:bb:cc.dd]  は「時間/分/秒/セクタ」の形式です。値が
       0 であるフィールドは指定しなくても構い ま せ ん。 つ ま り
       [::20], [:20], [20], [20.] 等は 20 秒と解釈され、 [10:] は
       10 秒と解釈され、[.30] は 30 セクタと解釈されます(75 セ ク
       タで 1 秒です)。

       オ フセットを 1 つしか指定しなければ、これは開始位置のオフ
       セットを表し、吸い出しはそのトラックの終わりまで行わ れ ま
       す。オフセットが 1 つだけあり、その前後にハイフン(-)がある
       場合には、省略されているオフセットはディスクの先頭あるいは
       末尾として解釈されます。例を以下に示します:


       1:[20.35]
              ト ラック 1 の 20 秒、35 セクタの位置から、トラック
              1 の末尾までを吸い出します。

       1:[20.35]-
              1[20.35] の位置からディスクの末尾までを吸い出 し ま
              す。

       -2     ディスクの先頭からトラック 2 まで(トラック 2 も含み
              ます)を吸い出します。

       -2:[30.35]
              ディスクの先頭から 2:[30.35] の位置まで吸い出 し ま
              す。

       2-4    ト ラック 2 の先頭からトラック 4 の末尾までを吸い出
              します。

       繰り返しになりますが、角括弧および単語の先頭にあるハイフン
       は 必 ずクォートして、シェルに展開されないようにしてくださ
       い。


指定例
       クォートも含めた指定例をいくつか示します:

       ドライブの調査だけを徹底的に行い、自動検出の結果を全て報告
              します:

              cdparanoia -vsQ

       ディスク全体を吸い出します。それぞれのトラックは別々のファ
              イル に します:

              cdparanoia -B "1-"

       トラック 1 の時刻 0:30.12 から時刻 1:10.00 までを吸い出し
              ます:

              cdparanoia "1[:30.12]-1[1:10]"

       トラック 1 の時刻 0:30.12 から 1 分間のデータを吸い出しま
              す:

              cdparanoia "1[:30.12]-[1:00]"


出力
       出力ファイルを指定する引き数は省略可能です。指定されていな
       け れば、 cdparanoia はサンプル音声を cdda.wav, cdda.aifc,
       cdda.raw のいずれかに出力します。どのファイルに出力され る
       の か は、 オプション -w, -a, -r,-R のうちいずれを使うかに
       よって決まります(何も指定しなければ -w がデフォル ト 値 で
       す)。出力ファイルを指定する引き数が - ならば、出力は標準出
       力に対して行われます。どのデータ形式でもパイプに送ることが
       できます。


謝辞
       cdparanoia  の 基 と なっ た の は  Heiko  Eissfeldt  さん
       (heiko@colossus.escape.de)が作成した 'cdda2wav' パッケージ
       で あ り、 以 前 は  cdparanoia のインタフェースの大部分は
       cdda2wav からもらってきたものでした。cdda2wav  が な け れ
       ば、cdparanoia が作られることはなかったでしょう。

       Joerg Schilling さんが作成した汎用 SCSI データ転送ライブラ
       リから、SCSI の専門知識を多く学ばせていただきました。


作者
       Monty 

       cdparanoia のホームページは以下の場所にあります:

                     http://www.xiph.org/paranoia/





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